2012年4月26日木曜日

オレンジ色のカエルの話

温暖化による異常気象は、すでに世界各地で頻発しています。
異常気象は人間への影響はもとより、人間と違って守る術を持たない生物の絶滅を
もたらし始めています。

かつてオレンジ色をした小さなカエルが、コスタリカのモンテベルデ雲霧林
中心に生息していました。ところが1980年代後半急激にその数が減少、
1989年以降発見された例がなく、ついには絶滅したと考えられています。

原因の一つは、例外としか言いようのない干ばつが数年つづいたこと。
カエルはオタマジャクシの頃は水の中で育つので、水たまりや池沼がなくなると
繁殖出来なくなってしまうのです。
オレンジヒキガエルの絶滅と同じ時期に、20種類ものカエルが絶滅している
ことで、世界規模でカエルが減少していることが国際学会で話題となり、
研究プロジェクトが発足。減少の原因がいくつか上がってきました。

①温暖化に伴う異常気象
②ペット用商取引のための乱獲
③酸性雨
④オゾン層破壊による紫外線の増加
⑤外来種の観賞魚がもたらした疫病の発生
⑥内分泌撹乱物質(環境ホルモン)による免疫力の弱体化
⑦水辺の開発による生息環境の喪失
(参考文献:中公新書「自然再生」鷲谷いづみ著)

こうして見ていくと、気象変動だけでなく、私たち人間が目先の利益だけを考えて
起こしている行動が大きく作用していることが分かります。
もともと環境破壊、地球温暖化も便利で効率が良い生活を追い求めた
私たち人間が原因になっているのですから・・・。

カエルのような両生類が生息するためには、水辺と森の両方が必要です。
しかも羽毛や毛皮がなく、皮膚が露出しているため汚染物質や紫外線の影響を
受けやすく環境悪化の影響が哺乳類や鳥類より先に現れるそうです。

カエルの絶滅は私たちからほど遠い地域での、単なる小さな生物の
いち変化ではなく、私たち含め地球上の生物がこうむらなければならない深刻な
影響の前触れと考えなくてはなりません・・・。

地球環境の悪化はまったなしの状況です。
私たち人間も全ての動植物とともに生態系の一部であり、自然の恵みを享受して
生きています。ところがその存続がいまや危機に瀕しているわけです。
便利でモノに溢れた都市部で暮らしていると、昔の日本人が実行していた
「自然との共生」を意識することが難しくなってしまいます。
日常の何気なくしていた行動が、見えないところでどのような影響を与えている
のか、普段の生活の小さなことからでも、意識して選択したいと思っています。



2012年4月23日月曜日

花サロン、エコを考える。

その使い勝手のよさから、私たちの生活に浸透しているペットボトル。
「ミネラルウォーターやお茶を飲むから、毎日買ってるよ」という人も
多いかもしれません。
日本では年間約52万トンのペットボトルが生産されているそうです。
(2007年 PETボトルリサイクル推進協議会)。
500mlのボトルに換算すると約208億本。
日本人一人当たりだと、なんと年間163本も消費していることになるのです!
海外の他の国に比べて、日本は使用済みペットボトルに関して
高い回収率を上げていますが、リサイクルするために
大量のエネルギーが使われているのも事実・・・。
出来るだけマイカップや水筒などを持参し、使わない努力をしたいものです。

とはいえ、やむを得ず使ってしまったペットボトル、
無駄にしないためにこんなアイデアはいかがでしょう?
 先日エコフィン・ラボで行われた"季節を楽しむ花”サロンでは、
ペットボトルと小枝を使った手作りを楽しみました。
 まずは小枝をワイヤーでつないでいきます。
どんどんつないで、長ーくなったら、
 上半分をカットしたペットボトルの周りに巻き付けていきます。
グルグルまいていくと、鳥の巣みたいで何ともナチュラルなフラワーベースが完成!
 春のお花をさして、世界にひとつだけのオリジナルベースのアレンジが出来ました。
身近にある何でもない素材が、アイデア次第で素敵に変身!
 レッスンの後は、お茶を飲みながら今日の振り返り。
「かわいいエコに大感激!」という声も。
子どもさんでも出来るアレンジなので、ペットボトルをとおして、
便利な生活と環境がどうつながっているか、子どもさんと一緒に考えるのも
いいかもしれませんね。

さて、次回のエコフィン・ラボ ”季節を楽しむ花”サロンは5月2日(水)13:30〜。
ただいまお申し込み受付中です。(参加費無料、定員6名)
詳しくはこちらをご覧下さい。

http://www.willife.com/?p=1333




2012年4月16日月曜日

瞑想する時・・・に。

先日、ある会に参加させていただきました。
参加者一人一人、短く自己紹介することになりましたので、私は迷わずエコフィンの事をほんとうに少しだけお話させていただくことにしました。

そして、話し終わるとほぼ同時に、
ある男性が「それ!欲しい。売ってください。」と声をかけてくださいました。

瞑想する時のスペースに利用したいというのです。

これまでも、弊社に直接ご連絡をいただく事は多々ありましたが、
それは葬儀の準備にという、ごく普通のニーズでした。

今回のようなお話は初めてでした。

私たちが「棺」という機能にだけとらわれていたのを、その方は簡単に打ち壊してくださいました。

なるほど「棺」らしくない「棺」があっても良いということになるのです。

「そうですか。いいものを今開発していますので、その写真等を送ります。是非、ご覧ください」

「今日、ここに来た最大の成果だな」

このような方はそれほど多くは・・・というよりごく僅かだと思います。しかし、もっと他の使い方があるのかもしれません。
凝り固まったアタマに強烈な刺激をもらった一時でした。

2012年4月13日金曜日

女性は最期まで美しくありたい

女性は一生の間に三度白い衣装を見にまとうといいます。


一度目はこの世に生を受けたとき...産着
二度目は嫁ぐとき...白無垢。相手の色に染まるという意味。
三度目は、この世から旅立つ時...仏衣。まっさらな状態で旅立つ。


もともと日本において「白」は神事で用いられ、神聖な色とされてきました。
同時に昔は「喪」の色であるともされていたそうです。
かつて白装束は、一枚布を使い、裁断バサミを使わず、返し縫いをせず、
玉止めもせず、近親者の女性が故人を偲びながら
聞き手と逆の手で複数人で縫うというものだったそうです。


返し縫いには「魂が引き返して来ないように」という意味が、
玉留めと「魂留め」をかけて魂がそこにとどまらないように、という意味が
あるそうです。


聞き手と逆の縫いにくい手を使うのは、あえて時間をかけて縫うことで
故人を想い、忍び、縫っている間はしっかりと悲しんでいいんだよ、と
いう時間をつくるためだったのかもしれません。
そして深い悲しみの中にいる家族を一人にはせず、複数人で縫うことで
想いや時間を共有し、一人ではないんだよ、と周りの人々が
心を添わせていたのではないでしょうか。
大切な人が亡くなったという事実を、少しずつ受け止め、うけいれるまでの
必要な時間だったのかもしれません。


いつの時も美しくありたいという願いをかなえ、そしてこのグリーフワークとも
いえる風習を受け継いでいる旅立ちの衣装が「天使服」です。
職人さんの手で、一枚一枚大切にまるでドレスのように美しくし立てられています。
そして全てのドレスには最後の仕上げだけを、身内の方が縫って仕上げられる
「お縫い針セット」が選べるのだそうです。
『家族みんなで故人を想い、偲び、その想いを一針一針にこめて、
 あの世に生まれ変わる故人様を皆様の手で導いて下さることを
 心よりお祈り申し上げます。』(「天使服」ホームページより抜粋)
という制作者の想いが込められています。

来週4月18日(月)13:30〜エコフィン・ラボにて「天使服姉妹ソーイング
深田さんに「天使服」についてお話頂きます。
先人の知恵から学ぶ仏衣の役割について、ご一緒に考えてみませんか?

日時:4月18日(月) 13:30〜
テーマ:”私らしさ”葬送計画「女性は最期まで美しくありたい〜天使服〜」
会場:ウィルライフ エコフィン・ラボ
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.willife.com/?p=1285








2012年4月12日木曜日

黄砂を防ぐ未来の森へ

エコフィンをご利用頂いた方にご回答頂いたアンケートハガキが
毎日のようにエコフィン・ラボに届きます。
昨日届いたおハガキには、次の様なコメントを頂きました。
黄砂には毎年困っていますので少しでも少なくなれば...と願っています。」( 広島県) 

春は特に黄砂が増える時期。
乾燥したアジアの砂漠地帯で発生した黄砂は、偏西風にのって遠くまで運ばれ、
日本ではおハガキを下さった方が暮らす中国地方や日本海側で多く観測されます。
最近ではここ関東や、東北でも見られることがあるのだとか。
モンゴルへ向かう飛行機より。見渡す限り一面砂漠が広がっています。

黄砂は人為的要因とともに、地球温暖化による気象変動が大きく影響しているそうです。
エコフィンについている10本の植林は、山火事で森林減少がすすむモンゴルに
アカマツを植えていますが、温暖化の防止とともに、黄砂を防ぐ役割もあるんですよ。

植林に適している時期は気候が安定している4月〜6月。
モンゴルでの植林は、今年で6回目を迎えます。
例年同様モンゴル国セレンゲ県の森林火災跡地に、
エコフィン特約店他24社からのご協力37,000本、
 今年は合わせて76,000本を予定しています。
モンゴル国の自然環境保全と復元貢献に対して感謝状を頂きました。

エコフィンをご利用頂いた皆様と、ご協力頂いた方々、
現地での活動に協力下さっている大勢の方々の想いが、
未来を守り次世代に美しい地球をひき継ぎます。


苗木一本一本は小さく、乾燥した寒冷地での成長はゆっくりです。
でも植え続けることで、黄砂を防ぎ水源を守り、多様な生物が暮らす
豊かな森へと成長していくのです。


植林に関する詳しい情報はエコフィンのHPでご覧頂けます。
ぜひこちらも合わせてご覧下さい。
http://www.ecoffin.jp/inochinomori.html


2012年4月7日土曜日

さくら便り 2012

花の蕾みがほころぶことを「花が微笑む(えむ)」とも言うそうです。
春の嵐をじっと耐え、エコフィン・ラボの周りでもいたるところで桜の笑顔が満開です!
いつもなら足早に過ぎる西麻布の交差点。
赤信号の間「権八」前の桜をみあげて、つかの間のお花見。
エコフィン・ラボのお向かいには、400年の歴史をきざむ曹洞宗の大きなお寺
本堂の脇には大きな枝垂れ桜が。他にも数本の桜が今見頃を迎えています。
ちょうどお昼時だったので、ランチ帰りのOLさんや近所の方が立ち寄ってパチり。
少しピンクがかった花びら、長く下がった細い枝が
風にやわらかくそよぐ姿には妖艶な魅力がありますね。
都会の真ん中にいることを、ふと忘れてしまう穏やかな静けさです。

ちなみにこちらの長谷寺、毎週月曜日の朝には、
どなたでも参加出来る月曜座禅会を開催しているそう。
出勤前に、心しずめるひと時を過ごすのも良いですね。

一斉にたくさんの花を咲かせるさくらの木。
慌ただしく過ぎていく毎日、四季を感じられない都市部でも、
確実に四季は移り変わり、生命が脈動していることを感じさせてくれます。
忙しくってお花見になんていけないよ、という方もふと顔を上げてみると
そこには満開のさくらが微笑んでいるかもしれませんよ。


2012年4月2日月曜日

人と森をつなぐ


徹底的に環境に配慮して開発されたエコフィン。
そのエコフィン・シリーズの中でも、美しいデザインがひと際人気の高い棺が
四万十ヒノキの間伐材を使用したエコフィン【WiLL】です。
今日は、少し前のお話になりますが一昨年の秋、
エコフィン【WiLL】も展示された、「more trees〜森を感じる12日間〜」
様子を紹介致します。
エコフィンWiLL(ウィル)]が展示!
日本は国土の約68%が森林。
その森林の40%は戦後の高度経済成長期に木材需要を見込んで、人の手で
植えられた人工林なのです。人工林は本来定期的に間伐(木を間引く)や
下草刈りなどの手入れを行うことで循環されるのが、
海外から安価な木材が大量に輸入されたことで、
多くの人工林が手つかずのまま放置され荒廃・・・
その森を再生するには定期的な枝打ちや間伐等が必要です。
またその材をどのように有効活用するかが持続可能な社会づくりの大きな課題のひとつです。
音楽家坂本龍一氏の「もっと木を」との呼びかけのもと、
国内外で森林保全活動を続ける「more trees」。
六本木のアクシスビルで開催された今回のイベントでは
日本の森林の現状や取り組みを伝える展示の他、8人の著名なデザイナーが
国産間伐材を利用した新作プロダクトの展示、森や自然をテーマにした
写真展も同時開催。大きな注目を浴びました。
more trees オリジナルプロダクツ
初日のオープニングレセプションには多くの関係者、新聞・雑誌等多くの
マスコミ陣が押し寄せ、大盛況!
4Fメインギャラリーでは「play the living」というテーマに合わせて
ダイニングテーブル風の切り株の展示台、周りの壁には窓サッシにみたてた
写真フレーム、天井からは200個のスティックモビールがユラユラと揺れ、
まるで森の中のよう。
モビール
エコフィン[WiLL(ウィル)]はその一角に展示されました。
木の香りが漂う空間で、棺を囲んで写真を撮る人、蓋を開けて中を覗き込む人…。「しかも内側は紙!?」
「うちの父親の時には必ず使います!」
「間伐材で棺桶が!しかもカーボンオフセット付きだなんて、すごいアイデア!」
棺+エコロジー+デザインの新しい融合=サステイナブル・デザインに、
来場者は一様に衝撃を受けていた様子でした。
今までこのような形で棺が展示され、注目されることはなかったかも
しれません。
来場された方々の感嘆の声を耳にし、今後の葬儀に新しい価値感を産み出す
エコフィンの大きな可能性を改めて感じるイベントでした。
深沢直人氏デザインのベンチ。
深澤直人氏デザインのベンチ。
エコフィン[WiLL]と同じく、四万十ヒノキの間伐材が使われています。
こちらは港区エコプラザでもお馴染み。

六本木という都会の真ん中で、自然や森を感じられるイベント。
これからもmore trees の活動は見逃せません!